EDDIE

バジュランギおじさんと、小さな迷子のEDDIEのレビュー・感想・評価

4.6
涙腺崩壊!感動のクライマックスで劇場内のお客さんたちのすすり泣きが聞こえてくるぐらい2人の演技に魅了されました。

生まれた時から声が出せないパキスタン人の少女シャヒーダー。夢を叶える寺院があると、母はシャヒーダーと列車に乗って出かけることに。
そこで母とはぐれてしまうシャヒーダーは孤独に打ちひしがれる中、インドでバジュランギことパワンと出会います。
パワンはなぜか自分についてくる幼気な少女を放っておくこともできず、家に連れ帰り、母を探しにパキスタンを目指します。
名前も言えない、話ができない少女の故郷すらどこか聞くこともできず、最初はパキスタンであるかどうかもわからないんですが、献身的に支えてくれる彼女の力添えもあり、いざ出発というわけです。

そんなパワンも嘘がつけない敬虔なヒンドゥー教徒ということもあり、旅では数多くの困難が待ち受けます。もはや嘘がつけないインド人と言葉が話せない少女の縛りプレイの完成です。

それにしてもこのシャヒーダー演じる少女の可愛らしいこと!5000人の中からオーディションで選ばれたそうですが、ほとんどセリフのない配役を見事演じ切りました。こんな可愛いならば、そりゃあ連れて帰りたくもなる。気持ちわからんでもない。とまぁそれは犯罪ですが、クライマックスのパワンのもとに駆け寄っていく演技は涙なしには見られませんでした!

あとは途中で出会うもう1人の映像ジャーナリストのおじさんナワーブ。本作キーパーソンの1人ですが、パワンがなぜ危険を冒してまでパキスタンに入国したのか、ことの経緯を知って、パワンと少女のために全面的に協力してくれます。彼がユーチューブらしき動画サイトで彼らの存在を知らしめたことが前に進ませるきっかけともなるんですね。

で、この映画の素晴らしさってただインド人のおじさんが、迷子の少女をお母さんのところに連れ帰りました。よかったー。ハッピーエンド、感動ーって話で終わらないところです。

ナワーブが語るひと言が物語の本質を突いていました。
この国は憎しみは伝えるのに、愛は伝えない。そんなニュアンスのことを話すのですが、実はインドとパキスタンは宗教の信仰の違い、政治的問題により対立をしているんですね。その橋渡し的な役割を担っているのが本作だと思います。
ダンガル、バーフバリに次ぐインドの興行成績3位も納得の作品ですが、本当にこの映画を世に生み出した、そこに意味があると考えました。
EDDIE

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