ナカムラ

バジュランギおじさんと、小さな迷子のナカムラのレビュー・感想・評価

4.3
印パ間の差異については皆さんが既に語っているので、ここでくどくどしく説明しない。

歴史はアラベスク模様の織物であるけれど、せめて新しい時代の子どもはその呪いとは無縁でいるべきだ。
大人は子どもを抱きしめ、手を握り、てくてくと一緒に歩くだけで、足りる。

人間には、家庭の目玉焼きの味を大切にするということと、他人が目玉焼きにかけるものはこうでなくてはいけないということを、関連付けてしまう習性があるから、悲劇はいつまでたっても無くならない。

前置きはここまで。

基本的にとても笑える映画で、観客席からは絶えず笑い声が洩れ聞こえていてとても幸せな気分になった。

最初らへんに出てくるハマヌーンのダンスが特に良かった。
日本的な神さまというと、どうも突っ立ってたり威嚇のポーズだったりな印象で、なんだか向かい合うこっちも辛気くささに厭になってたんだけれど、
そうだ、向こうの神さまは踊るんだ。それも色鮮やかに。
異国の仏像がやたらめったら変なポーズをとっていると見えるのは、あれは動いている一瞬を捉えたからであって、その瞬間私たちは、私たちが信仰するものがしかつめらしく直立不動しているものばかりではないと、気付きを得る。

なにせ、信仰に対してダンスで応えてくれる神さまの国だ。
私もこの映画が全力で語りかけてくる愛に対して、踊って応えたくて仕方がない。
ハマヌーン、ドゥビドゥバ!
イェー!