小波norisuke

バジュランギおじさんと、小さな迷子の小波norisukeのレビュー・感想・評価

4.5
159分と長尺だが、飽きることがない。ストーリーの面白さに加え、子役の可愛らしさ、サルマン・カーンの魅力で惹きつけられる。笑いと涙あり、スリルあり、ノリノリのダンスに、アクション、美しい風景描写と、娯楽要素がてんこ盛りだ。

インドとパキスタン。過去に三度も戦争を繰り返し、今なお紛争の火種がくすぶっている。敵対国として、両国の国民の間には、互いの憎悪感情も根強いようだ。

宗教の違いも立ちはだかる。熱心なヒンドゥー教徒であるバジュランギおじさんにとっては、イスラム教の寺院に足を踏み入れることさえ、どこか後ろめたく感じてしまう。この気持ち、わかるなぁ。

しかし、たとえどんなに政治の対立が激しく、宗教の違いがあろうとも、何よりも優先しなくてはならないことは、目の前にいる幼い迷子の少女を家族のもとへ届けること。この子のためならと、固く決意して、艱難を乗り越えていくバジュランギおじさんの姿が胸を打つ。

旅を通して、イスラム教に触れ、違うように見えても、神に祈る思いは共通だと、主人公が学んでいく描写も丁寧で、好ましい。

予定調和ではあるが、わかりやすくて、それもよし。楽しい時間を過ごさせてもらって、大満足だ。劇場で観れて良かった。
小波norisuke

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