ぱんだまん

バジュランギおじさんと、小さな迷子のぱんだまんのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

笑いも涙も全部ひっくるめた映画。
終始飽きないし、社会派じみた一面もあり、この上なく満足。

超王道と言える展開なのに、それでも涙してしまうほど練られた映画だなあと。起承転結もしっかりあるし、インド映画お馴染みのダンスシーンも迫力満点。パワンの実直すぎるが故の愚鈍さにやや苛立ちつつも、シャヒーダーちゃんのかわいさで帳消し。カプールの強さやパキスタン人記者(名前忘れた…)の愉快さも相まって、心から楽しめた。

印パの対立はやまないし、愚かで醜い争いも消えることは無い。だが、ラストシーンの、国境のど真ん中で抱き合うパワンとシャヒーダーの引きの絵面で、ザ・ボス(MGS3)のセリフを思い出した。「地球に国境なんてない…」「絶対的な敵など存在しない。なぜなら敵はいつも同じ人間だからだ。『相対的な敵』でしかない。」 かつての大英帝国に躍らされ、ガンディー暗殺や戦争にまで至った印パ対立。だがムガル帝国時代は、イスラーム王朝による統治ながらも、ヒンドゥー・イスラームは共生していたはず。綺麗事を言うつもりは無いが、やはり戦争は嫌なものだなと。この映画でそんなことを思った。
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