爆裂BOX

ダークマン3の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ダークマン3(1996年製作の映画)
3.5
日夜悪と戦うダークマンことペイトン・ウェストレイク。麻薬王ルーカーから莫大な現金を掠め取るが、それに怒ったルーカーによって、完璧な人工皮膚のデーターとサンプルを奪われてしまう…というストーリー。
サム・ライミが生んだダークヒーロー「ダークマン」のシリーズ第三弾にして完結編。監督は前作から続投で、ペイトン役のアーノルド・ヴォスルーも続投しています。
ペイトンは彼を訪ねて来た、彼が顔と両手を失った事故の時に治療を行った女医と共に研究を進め、遂に完璧な人工皮膚の開発に成功するも、ルーカーの愛人だった女医に裏切られて研究データとサンプルを奪われてしまう。更に彼の血液から体力を増強させるドラッグを作り出した女医とルーカーは、犯罪組織撲滅を掲げる検事立候補者の暗殺を画策し、ダークマンは奪われたサンプルと研究データを取り戻し計画を打ち破ろうとする、という内容です。
本作もテレビ映画として製作されていますが、物語的には一作目と二作目を合わせたようなストーリーになっていますね。ルーカーの取引現場から大金を奪い、地下まで追ってきた部下がペイトンの顔見て逃げ出そうとして、マンホールから顔出してブルドーザーに轢かれるシーンは一作目のオマージュになってますね(ここでサラッと首チョンパ描かれます)
ジェフ・フェイヒーが新たな敵の麻薬王ルーカーを演じています。前作のデュランの様な迫力はあまり感じませんが、冷酷で狡猾な悪役ですね。デュランと違って妻と娘もいますが、女医を愛人にしたり浮気しまくりで、娘にも関心を寄せていません。女医の方もペイトンを実験体にしか思ってないマッドサイエンティストで、ルーカーも自分の野心の為に利用しようと考えてたりこちらも中々の悪役です。
ペイトンがルーカーに変装して自宅に忍び込んでデーター取り戻そうとしたら、なりゆきからルーカーの誕生日パーティにルーカーとして出席することになる下りはハラハラ感とユーモラスさがあって面白かったです。娘と一緒にピアノ弾いたり、娘の学芸会の発表見に行ったり、ルーカスとして家族にペイトンが家族に触れあっていく姿は心温まる感じがあって良いですね。「あの二人には関わるな!面倒見切れん!」「自分の事だけ考えろ!」と自分に言い聞かせながらも結局放っておけないペイトンの良い人ぶりも良いですね。
テレビ映画ながら銃撃戦や爆発シーンもあってアクションも結構頑張ってたんじゃないでしょうか。ラストの工場の爆発は、炎の中突っ切ったスタントマンの身体に火がついてて「かなり危険なスタントだなぁ」とちょっとビックリしました。
ルーカーの部下がペイトンの血から作ったドラッグ使ってパワーアップしますが、そこまで怪力感じさせる暴れっぷり見せてくれなかったのはちょっと残念かな。
クライマックスの対決での自身にもドラッグ使ったルーカーのキレっぷりは中々いい感じだったと思います。決着もゴア描写は無いけど結構むごい感じなのもよかった。
ジェニーが顔に火傷負った時点でラストの展開予想付きましたが、自分ではなく他者の為に行動したペイトンはヒーローらしくて良かったですね。何処か哀愁漂うラストも好みでした。
テレビ映画ながらアクション面とドラマ面良くて楽しめた完結編でした。「ドクターストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」のインタビューで、ライミ監督が「ユニバーサルが「ダークマン」の続編の話を進めてる」と発言したり、リーアム・ニーソンも「ダークマン」の続編面白そうですね、とコメントしたり続編製作されそうな雰囲気ありますが、もし実現するならこの二作の続編も込みの世界観で作られるのか、それとも一作目の続編として作られるのか気になる所ではありますね。