爆裂BOX

ファイナル・デッドシャッター 本当にあった呪いのカメラの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
遺体写真家だった祖父が亡くなり、資産相続人となった写真家ブランドン。祖父が住んでいた家で古いカメラを見つけたブランドンはそのカメラで写真を撮り始めるが…というストーリー。
写真に写った者に悲惨な死をもたらす呪いのカメラを描いたオカルトホラー。タイトルに「ファイナル・デッド」とありますが、当然の様に「ファイナル・デスティネーション」シリーズとは何の関係も有りません。
結婚式で親子や新郎新婦の写真を撮るブランドンだったが、夫婦や親子、アシスタントと写真に写った者が次々悲惨な死を遂げていく。ブランドンは曽祖父の過去を知るという人物からカメラにこめられた恐るべき呪いを知らされるが、その魔の手は息子にまで及ぼうとしていたという内容です。「本当にあった」とか「実話を基にした」と出てきますが、実際は過去にいわくつきのあるカメラがあったという程度の話のようですね。
結構序盤の方から呪いのカメラで写真に撮られたホームレスや親子、新婚夫婦と次々と犠牲者が出ていくのはテンポよくて良いですね。その死に方も空中に持ち上げられて壁や地面に叩きつけられてバラバラになったり、皮膚がドロドロズル剥けて行ったり、皮膚がブスブス焦げて焼死したり、葉巻カットで指切断したり口縫い合わされて皮膚が萎びて骸骨になったりと割とグロい描写多くて死に方のバリエーションも多めで飽きさせない工夫感じられて良かったです。子供にも容赦ない所もあります。
ただ、呪われた人たちが主人公と関係ない所で死んでいって、呪いが主人公の身の回りまで及んで主人公が呪いに気づくのが割と後半の方で、呪いに気づいてアタフタするのがヒロインポジションのアシスタントの方で、それまで主人公は写真撮ってるだけで気付かないので緊張感はイマイチ感じられないですね。犠牲になる人も掘り下げないし大筋にも関わってこないので死に方はグロいけど死んでもショック感じたりすることないのもそれに拍車かけてる気がします。
主人公がカメラの呪いに気づいて対策立てようとしますが、そこからの後半は、呪いの元凶である曾祖父の霊に息子がカメラの世界に連れ去られて、主人公も息子を救うためにカメラの世界に飛び込んでいくという呪いのカメラを描いたオカルトホラーだった前半からいきなりダークファンタジーへと方向転換していきます。この急な方向転換いきなりすぎて受け入れられない人はいそうですね。個人的には目と口縫い合わされたゾンビ風やフクロウ男風の死霊が蠢く暗い色彩の映像で描かれる世界はどことなく「サイレントヒル」っぽくて嫌いではないです。
死体の様に動かない被写体で完璧な写真を撮る事に取り憑かれ、殺人に手を染めてカメラの世界に閉じ込められながらも呪いで殺人を続けるラスボスの曽祖父をレイ・ワイズが演じてて、そのいい感じにイカレた演技は楽しめました。カメラを使って間接的に殺してたのが、カメラの世界では直接的に襲ってきましたね。
曽祖父に舌戦で一気に追い詰めていく所は良かったですが、最後曽祖父はあれなんで倒せたんだろ?イマイチどうやって倒したのか分り辛かったな。
最後子供二人脱出した所で終わってハッピーエンドで良かったのに最後に安易で蛇足なバッドエンドつけちゃいましたね。
B級ホラーとしてはまずます楽しめました。