ラストの新宿西口の早朝の散水車、ビルのシャッターの上昇のもたらす高揚感。映画的な幸福の瞬間に立ち会える。新宿をこんなふうに撮ったのは田中登だけだろう。
トルコ嬢の生活と夢、トルコ嬢とゲイ、ゲイとトルコ嬢のセックス、馴染み客、ヒモ。貯蓄するが銀行員に騙されるトルコ嬢、馴染み客の近くに住むと決めるトルコ嬢。グレゴリオ聖歌が流れる中のセックス。
吉澤健のキャベツ食い(パン食いならぬ)、サイコロ、のぞき見、高笑い。
水、傘、投身自殺、都電の線路跡(ロマンポルノに度々登場)、ビルの屋上、上昇と降下。
田中登は初期から明らかに才能がきらめいている。