田中登版『赤線地帯』との触れ込みにワクワクして見るが、溝口のそれと比べるとあまりにも人が行き交うことはなく、時々並走しては散開していくランデブー様式。捉えどころのない映画で、中心は見当たらず、あるとしたらノンケになりたいゲイボーイの死(落下する傘!)か、キャベツの芯。手を使わないでぶら下がっているキャベツに齧り付く、宙ぶらりんな映画。
桂知子、『夜汽車の女』であんまりにも乳首がエロいんでめちゃくちゃ好きだったんだけど、ここだと本当に若尾文子に見えちゃう。たしかにネコっぽい。
・上がるシャッター、朝日の新宿