スローモーション男

牝猫たちの夜のスローモーション男のレビュー・感想・評価

牝猫たちの夜(1972年製作の映画)
4.0
 田中登作品、初鑑賞。
神代辰巳や曽根中正と並ぶ日活ロマンポルノを代表する監督のひとり。

トルコ風呂に勤める3人の女たちの姿を描く。
曽根中正の『㊙️女郎市場』と同じように身体を売る女たちを明るいタッチで描く。
そして撮影が素晴らしい。じめじめした大都会の匂いが画面から漂ってくる。
それがこの淫らな世界を彩る。
人物描写はあまり拘ってはいなかったが、それぞれの生きざまを垣間見れたのは面白かった。
特にゲイの男が、男と女を繋ぐ役割として上手く登場させている。
逆さの傘や天井からぶら下がるキャベツなど小道具も良い。

ラストの夜明けとともに街中のシャッターが上がっていくのも素敵です。