しめさば

牝猫たちの夜のしめさばのレビュー・感想・評価

牝猫たちの夜(1972年製作の映画)
4.1
吉澤健の70年代的存在感と新宿の街というだけでもう最高だし、随所に登場するアヴァンギャルドな田中登節もよい。天井にチェーンで吊るされたキャベツを、手を使わず食べる吉澤健。意味わからない。だが終盤に出てくる、ほとんど芯だけでヒキガエルの死体のようになったキャベツは明らかに『(秘)色情めす市場』におけるニワトリバンジーを予感させる。ソーセージスパゲッティ、『薔薇の葬列』のようなゲイボーイ、ビニール傘、金魚。ポップでグロテスク。そんでもって朝9時、無感動に上がっていくデパートのシャッターの無機質さ。こういう瞬間の新宿に魅力を感じてしまう。
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