鰹よろし

スカイゲートの鰹よろしのレビュー・感想・評価

スカイゲート(2013年製作の映画)
3.0
 爆弾処理における選択の緊迫感。そして愛する者を失った、多数の犠牲者を出した核爆発による被害のフラッシュバック。これとタイムトラベルによる過去改変ってのが掛かってるのだろう。過ちは正せばいい。変えちまえばいい。簡単さと。一世一代の選択が無かったものとなる。馬鹿らしくなるよなと。改変された記憶が保たれるのは施設内の人間のみ。分岐点となるのが、人1人の命を救うというものになったのも危険性の示唆。そこに最後一石投じるというこれまたおもしろい終わり方。

 その前にもジャブはふんだんに打っている。それぞれに愛する者を抱えている。そして過去に行った者たちの会話。過去においてこれから起こる事を知っているという複雑さ。しかしそこは任務のため、900万人のためすべきことに専念する。変えたい過去は誰もが抱えているだろう。しかし今ある自分はその過去のおかげと割り切っている。だがしかしそんな人間ばかりでもない。たった一人の私利私欲でこうも世界は良くも悪くなるという、バタフライエフェクトも取り入れた中々の良作品だ。
・・・いや単に立て直す・創るのは困難、壊すのは一瞬ってな話か。


 簡単に言ってしまえば、こんな装置があれば誰にも知られずに好きなように現在を変えられる、操作できるってことよ。

 
主人公: 爆破するから妻が生き還るという思考  → 未来へ向いている
博士: 妻を生き還らせるために爆破するという思考 → 過去に向いている  

 取り調べにおけるこの2人の思考の違いが、過去での主人公の行動にて現れる。自らの過ちで愛する者を亡くした者から、これから亡くそうとしている者への喝。心情に訴えかけると。逆転というか、博士の立場になってるんですよね。この辺もうまい。
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