Keiko

ランナウェイズのKeikoのネタバレレビュー・内容・結末

ランナウェイズ(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を見て1番驚いたこと。
「チェリーボムってそういう歌詞かよ!」
私がランナウェイズを知ったのは、たぶん中学生くらいの時。YouTubeでたまたま“Cherry Bomb”の動画を見つけたのが最初。あれはたぶん、この映画にも出てきた来日ツアーの映像だと思う。日本人向けに放送されたテレビ映像で、下には日本語字幕がついていた。当時の私は英語をそのまま理解することなく、その和訳を純粋に受け入れていたんだ。

I'll give ya something to live for
Have ya, grab ya 'til your sore
私は生きていくための何かをあげる
食べて! 奪って! 心がときめくまで

まあこれでも今見たらなんとなく意味はわかるよ。でも、映画の字幕はもっとストレートに直訳していた。

あんたにイキがい あげる
痛いと言うまで食わえ込む

この字幕が出てきた瞬間に「え!」って声出してしまった。何が「心がときめくまで」やねん。
「生き甲斐」じゃなくて「イキがい」なのも、ダブルミーニングで上手い和訳だと思った。
日本で人気が出たバンドだけど、いったいどれだけの日本人が、この歌の本当の意味を理解して推していたんだろうか。


シェリーが単体でグラビア写真を撮られることに関して、他のメンバーたちは「ポルノ女優じゃないのに」「こんなことをしたら誰も音楽を聴かなくなる」と怒る。
でも、むしろ大人たちはその方向でこのバンドを売るつもりだったよね。
下着姿で性的な歌詞を歌っていても、彼女たちはそれを「束縛からの解放」だと信じていたんだろうな。背伸びして大人になったつもりでいて、自分たちが搾取されていることに気付かない……気づかないふりをしていたのかも。
今の時代で例えるなら、一時期のマイリー・サイラスみたいなマインドだったのかな。

ダコタ・ファニングは、子役からの脱却を図ってあえてこの役を受けたんだと思う。歌もたぶん本人だよね? シェリー・カーリーにしてはパンチが弱いし軽いんだけど、今の若者はこっちの方が耳馴染みがいいかもしれない。

クリステン・スチュワートのジョーン・ジェットはハマり役。彼女は『トワイライト』のベラ・スワンのイメージが強いけど、本当に闇を抱えてそうな美女の役が似合うなぁ。温度が高すぎて青い炎が燃えている感じ。

それにしても、ランナウェイズってどうして日本でだけあんなに爆発的な人気になったんだろうね?
Keiko

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