もっさんしっさん

コインロッカーの女のもっさんしっさんのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
3.7
【ヘス姐さん祭りその2】

しばらくのブランクと、間にアニメ2作を挟んでのレビューなので、やや祭り感が乏しくなったが、やり始めたからには最後まで責任を持って祭り上げます。

そんな個人的な決意はともかく、韓国二大キム女優(ヘス&ゴウン。勝手に定義)の演技合戦は見応えがあった。話はめちゃ重い、重すぎる。闇中の闇。韓国映画お約束の食事シーンで美味そうなジャージャー麺が出てきても「ヤミ~」と思う気にもならないほど、深〜い闇の世界の話。

ヘス姐さんはどこかに感情を置き忘れたかのような冷酷非情な闇金融の女親分。
ゴウンちゃんはタイトル通り『コインロッカーの女』。ヘス姐さんが母親代わり。
母親と言っても自分の生業のためにすべてを支配下に置いている超毒々モンスター親。
そんな人間らしさのカケラもない荒んだ生活の中で見つけたほんのささやかな幸せ。
それがイリョン(ゴウンちゃん)の運命を…

これまで観た作品のヘス姐さんは、その美貌とダイナマイトバディを押し出したイメージが強かったが、この作品では片鱗もない見事な荒みっぷり。役のため増量し、ノーメイク?のボサボサヘアーで裏社会の人間を体現。役へのなりきり、入り込み感ハンパない。

かたやゴウンちゃんの女優魂も相当なもの。当時何歳?かわからないが、ヘス姐さんと堂々と渡り合い、しかもあんな凄まじい設定の役を演じるなんて。韓国女優恐るべし。

終始暗くて重い 、救いようのない韓国ノワール。
久々、「らしい」作品を鑑賞できて満足でした。

祭りはつづく…