原題は『チャイナタウン』で、恐らく朝鮮族の密入国ビジネスと臓器売買を手掛ける、裏稼業の世界を舞台としている。
珍しいのは女性キャラを中心に描くというコンセプト、加えて「世代交代」も重要なテーマのため、キム・ヘスの独り舞台でなく、若手女優のキム・ゴウンがキャスティングされていた。
コ・ギョンピョのような人気俳優をスポイルする脚本からその徹底ぶりは伝わるが、最も良かったのはパク・ポゴムをバッサリ消す展開、初志貫徹で全体が冷酷に引き締まっている。
ただ女親分のキム・ヘスはあまり「焼きが回った」ように見えず、クライマックスの必然性はいまひとつ希薄だった。
また若きヒロインがあちこちで垂れ流す「やりっ放し」に警察権力がなぜ介入しないのか、わずかに仄めかされる程度なのが勿体ないというか雑で、喰い足りなさが残る。
美しいキム・ヘスが身に着ければどんなファッションもそれなりに見えるが、今回彼女に充てられたスタイリングは悪趣味で、結構リアル。
強面の中年女が来ていたら、正しく因業ババァだろう。
