台湾の女優で監督としても数々の作品に携わってきたシルビア・チャンがメガホンをとり、3人の若者の交錯する過去と現在を描いたドラマ。
台東の沖にある緑島で生まれたユーナンとユーメイ兄妹。母は息子と夫を島に残し、幼いユーメイを連れて台北へと去ったが、ほどなくして他界した。月日が流れ、駆け出しの画家として台北に暮らすユーメイは、家族の仲を引き裂いた母親への怒りを抱えながら生きている。ユーメイはボクサーである恋人ヨンシャンに妊娠したことを告げられずにいた。ヨンシャンは網膜剥離であることを隠して試合に臨み、コーチから選手証を取り上げられて途方に暮れる。台東で旅行ガイドとして忙しく働く兄のユーナンは、孤独の中で過去を思う日々を送っている。ある夜、ユーナンは台風による足止めで立ち寄った店で遭遇したのは、あまりもせつない幻影だった。
３人の若者の過去と現在が複雑に交錯しながら繰り広げられる物語の脚本をシルヴィア・チャン監督と共に手がけたのは、台湾で活躍する日本人俳優・蔭山征彦。彼が温めていた３つの短編の脚本が監督の目に留まり、１本の作品へと結実した。蔭山征彦も写真出演している。
2015年・第16回東京フィルメックスでは『念念』のタイトルで特別招待作品として上映。
A PEOPLE CINEMA（エー・ピープル・シネマ）
第3回配給作品
