うみぼうず

ヨーヨーのうみぼうずのレビュー・感想・評価

ヨーヨー(1965年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ面白かった。
時代の変遷をサイレントからトーキーへ、さらにTVへと移しながら、大恐慌から戦争へ、さらに戦後へと移り変わっていく。経済的な豊かさから戦争を経て物質的なものから精神的な豊かさの必要性重要性が綴られているのかなと。
終わり方がとても秀逸で印象に残る。ある種自伝的な、でもフィクションであり幻想であり本人の夢 理想なのかな。

ピエール・エテックスはたぶん洞察力に優れていたのか、針小棒大にしながらも日常のふとしたユーモアを軽妙に表現されていて、思わずクスッとするものばかり。金持ちも使用人に何でもさせると滑稽か。この笑いのテンポの良さは何なのか。姿勢の良さ動きの機敏さで、まるでダンスを踊るかのような魅せ方が上手いのかなぁ、などと考える。
あとはカットか。ダラダラ一つのシーンで引っ張らず切り替えの妙。ベタでありながら次に何が起きるかワクワクしてしまう。

各時代描写はとても好き。まるで落石注意のような大不況による自殺の多さ、より軍事力が強い国=飛行機を食べる描写、真っ暗な中浮かび上がるTV。映画が上手いと感じる。
象や犬や兎の芸すごいね。動物使ったり屋敷の荒れ具合だったりと意外としっかり予算も掛けられている。

この日別作品も観たけど、他作品より観客多く、しかも若い世代(高校・大学くらい?)も多くて、この映画選ぶのはなかなかなセンスだなぁとも嬉しくなりました。
ピエール・エテックスTシャツ買うかめっちゃ迷ってる。。。
うみぼうず

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