とぽとぽ

ヨーヨーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ヨーヨー(1965年製作の映画)
4.0
物悲しく哀愁

サイレント映画とサーカスへのノスタルジックな想い入り交じるラブレターのような本作で、彼の多才さはより一層輝き、作品自体は画期的かつ前衛的でなによりハートがある。
時代の流れ。世界恐慌で破産した実業家などの飛び降り自殺が相次いだこともジョークのネタに?独裁者ネタにマルクスまで世界大戦やTVの普及など、当時の世界情勢が随所で散りばめられている。そして、やさしくあったかくちょっぴり切ない芸事の宿命。
作品の冒頭のほうは父の大富豪生活が描かれるのだけど、車に乗っての犬の散歩が印象に残った。尽きないボケのアイデアで名もなきモブキャラにも油断できず、観客を笑いの渦へと巧みに誘う、気の利いた小ボケの宝庫。
各地で興行しながら村から村へ、国から国へと移動するためのキャンピングカーに乗りながら色々なことをするのが見ているだけでワクワクしてよかった。貧しいながらも幸せな家族模様が行く先々で展開される様子が愛しい。
そんな父の豪邸を忘れられない息子ヨーヨーも大人になって帰って来るが…。

No cooking!
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