財産を失った大富豪と女曲馬師、そして彼らの息子が織りなす人間模様をメランコリックに描いた喜劇。
チャップリンなどサイレント喜劇とサーカスへのオマージュにあふれている。
ノスタルジックな世界観の中、ユーモアとペーソスに満ちたストーリーが展開する。
細かな演出に楽しいものがたくさん。
少年時代のヨーヨーが屋敷を回るシーンはチャーミングだし、扉の開閉音を強調した演出も可愛い。
大恐慌を経て、大人になったヨーヨーはテレビで成功し、父の屋敷を買い戻し、消費社会のブルジョワとなる。
良き時代を懐古しつつ、時代の流れを受け入れていく切なさと煌めきを描いている。
彼らの巡業先に『道』のザンパノとジェルソミーナの看板があるのはおもしろい。