うみぼうず

大恋愛のうみぼうずのレビュー・感想・評価

大恋愛(1969年製作の映画)
3.5
ピエール・エテックス祭り2作目。とにかく絵が綺麗だなと。
妄想と現実の境目が極端に曖昧で、恋は盲目というが本当に恋に迷い込んだかのよう。
またマダム達のウワサ話も尾ヒレが付きすぎて事実からかけ離れていくやり取りが数度まられるが、これも現実の中の虚構ということなのかな。

さらに妄想も主体が変われば見えている像が違っていて、端的なのはアニエスから見た主人公(名前出たっけ?)が年配者に見えるシーン(しかもだんだん老いていく…)。人の心も併せて何が真実か何が現実か分からない曖昧な世界へ誘ってくれる。

多数の花嫁が出てくる場面など前半の軽快さは心地よいが、アニエスが出てくる中盤後半にかけて少し失速…というか同じやり取りを何度も繰り返してしまう。妻と秘書とで揺れる恋心ゆえ葛藤があるのは理解できるが、にしても堂々巡りに感じた。

一日で3作品観たけど、この作品のピエール・エテックスはとてもチャーミングな動きでどの画角でも絵になる。スーツの着こなしが素敵だなぁ。何故かこの作品のエテックスはお笑い芸人の かもめんたる の人に見えてしまったな…。または吹越満さんと草彅剛さんを足して2で割ったような。
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