ロメ男

大恋愛のロメ男のレビュー・感想・評価

大恋愛(1969年製作の映画)
4.8
最高。

初めの長回し、人が動き何かが起こる、その連鎖からもう引き込まれてしまう。
ああエテックスのカラーも最高だなと思ったのも束の間、プロップスを用いた現実世界⇔妄想世界の往来こそ面白いものの、これまでの作品の身体性の強いアクションとは異なった、より普遍的な喜劇の雰囲気に少し物足りなさを感じてしまった。
しかしラスト全てが覆る。
初めエテックスを迎えに来る女たちの画を見ていたからこそ、認識できる視覚的展開、妻は夫を待ってはいるもののストックの男が存在しているということ。そうした反復が物語の初めと終わりを自然に結びつけ物足りなさを忘れさせてくれる。
そうした喜びと同時に最高のくだらないやり取りをする夫婦を見つめることができる。なんて幸せなことなのだろうか。
個人的にエテックスベスト。
ロメ男

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