ナタリー・ポートマンがアメリカ史上最も有名でその華やかさから常に一挙一動注目された若きファーストレディ、ジャクリーン・ケネディの気高さを演じきっていた。
ケビン・コスナー主演のJFKとはひと味違いジャッキーの視点から描いているが、夫の浮気、不仲が取り沙汰されながらも亡き夫をいかに尊厳ある存在として後世に残し、その葬儀をどのように執り行うか、葛藤しながらも奮闘する姿が印象深い。
眼の前で無惨に夫が暗殺され、その後わずかな時間の間で様々な判断を強いられ、子供達を守り、現実を目の当たりにし、都度心が揺れ動く過酷なメンタルは想像に絶する。
淡々とストーリーが語られるが、当時の冷戦下で偉大なアメリカの大統領がメディア、公衆の面前で殺されるというあり得ない現実、それを乗り越えるべく危機感も感じられた。