このレビューはネタバレを含みます
原作を未読だったからか、とても残念に思う映画でした。コメディとは言い難く、ストーリー性のあるドラマというにはチープ。
アクションが中途半端で、隙がありすぎるよ!と言いたくなること多々。トシダの能力や演技は素敵でしたが、それと一般人との差を出したいためのあの演出ですか?
最後のシズちゃんは連続殺人魔として機能するの?あんな目立つのに。一般人でも避けられ通報できるんじゃない?逮捕後も意味不明なことを言っており…というギャップのなさ。そして、結局船越さんも含めて、不審者やホームレスが悪役という後味の悪い話。これが一番イヤ。せめて、船越さんのとおじさんが朝まで語り合ったという昔の苦労話とか思考が歪んでしまった納得のできるストーリーがギュッと詰め込まれたシーンがあればよかったのに。その話も嘘でっていうくらい悪役に徹して、朽ち果てていくのだったらスッキリしたかなぁ。
軽快なテンポといえば聞こえは良いでしょうか。役者さんのひとつひとつの言動や行動にもう少しゆとりを持って、観ている人たちにも考える「間」が欲しかった。カオリと社長がステーキ食べるあたりのシーンだけお互いの思惑を考えられるようだった。
キャストはとても人間味を出せる方々だと感じているのですが、映画自体が一人一人の人生経歴についてが十分に大切にできてないというか、感情移入できなくてもどかしかった。
それでも役が輝いている瞬間はあったので、キャスト自身が過去を納得いくまで想像して演じてるのでしょう。本人たちが思ってるかわかりませんが、私から見て主役級の人たちは「役不足」に感じました。