カント

シスタースマイル ドミニクの歌のカントのレビュー・感想・評価

3.2
ベルギー。
成功と転落の悲劇。

おてんば娘と呼ばれた気分屋のジャニーヌは叔母と衝突してばかり。
アフリカにも行きたい。
歌手にもなりたい。
周りの親友アニーもピエールも振り回されるばかり。

神父に悩みを打ち明けて、気分屋のジャニーヌは気分のまま修道院へ。

おてんば娘が禁欲生活に耐えられるはずもなく、なんとか許されたギターで、聖人ドミニクの清貧を貫いた生活を歌にする。

それを、たまたま見かけたマスコミがシスタースマイルと名付けて、謎の歌手を売り出した所、50万枚のヒット曲になってしまう。

修道院のジャニーヌは、自分の歌がヒット曲になってた事を知らなかった……

昨年(2014年3月)全く同じ様にイタリアのシスター・クリスティーナが美声を武器にデビューしてローマ法皇の前で歌いCDも売れたけど…
カトリックでは、とっても
珍しい事。
プロテスタントなら陽気なゴスペルで人気の聖歌隊も多いけどね。

終盤、転落したジャニーヌを支えた親友アニーの、死を厭わない献身的な友情が素晴らしい。

女性同士なので↑友情と言った
けど、アニーは明確な愛情でジャニーヌに接していた。
それを受け入れる素地をシスターの経験で得たからこそ、脆く儚く破滅的な、美しいラストになったんだと思う。
2015-4-5
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