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マジカル・ガールのmahirunoahiruのネタバレレビュー・内容・結末

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 うおおお変な映画!ランティモスといい今年はよく変な映画を観る年だなー。まあ私は基本的には同じ構造のホラー映画ばっかり観て「よっ!田舎の孤立したガソスタ!」「よっ!車の後部座席!」って言ってる人なので、いろんな映画観るようになってよかったねと思います。
 要素要素は変なんだけど構成はパルプ・フィクションみたいな、複数のお話が平行して進行しており、登場人物は少しずつかぶっていて、話間には因果関係がある、という感じ。(ダミアンの更生の象徴である)ジグソーパズルの最後のピースをお父さんが拾っちゃって運命が狂ったのはアツい。あとお話全体を支配する因果律として、願いの成就のためには必ずもっとひどい代償が求められるっていうのはほんとにまどマギだよねー。シーンで言っても、包帯ぐるぐる巻きで病院のベッドに寝ているバルバラはさやかちゃん感がすごい。とかげの部屋のカーテンの奥に消えていくバルバラも具体的にどのシーンというわけでもないものの新房監督だなーと思った(元を辿ればサスペリアなのかな)。お屋敷込みでなんか新房監督だったな。お話がまどマギなのにおじちゃん達がお話回すのに違和感あるまであった。おじちゃん人生経験豊かなんだからそのくらいのことで絶望せんでもうちょっと冷静に振る舞ってよ。女の子ならまあわかるんだが。
 監督のインタビューでまどマギとセラムンが好きって言ってたけどセラムン要素はあの酒の瓶しかわからなかった笑。あ、あと長山洋子さんの「春はSA・RA SA・RA」って結局ムーンライト伝説の「ジャラッ……ジャラジャラジャラッ」の代わりにああいう前奏の曲を入れたかったってことなんじゃないかな。わかる。Youtubeで昔のアイドルの動画たくさん観てあの曲見つけたって言ってたけど、ファイブスター物語を経由せずに長山洋子のアイドル時代にたどり着くなんてことがあるか?と思うので、昔のアニソン歌ってたアイドルを追ってて見つけたんじゃないかなー。服のデザインした「メイコ・サオリ」ってまどマギ式に「名前のような名字」を持つ、適当に当字をするなら「沙織茗子」みたいな名前の人ってことだと思うけど、メイコっていうのも中原めいこから取ってるんじゃないかとなんとなく思うのでした。
 あと、冒頭の曲に合わせて踊るアリシア(これがまったくアイドルダンスじゃなさすぎて良い)の背後に貼ってある落書き、あれは間違いなく高槻やよいさんと菊地真さんだし、アイマスを参考にしたのだとしたら赤い髪の女の子はわんちゃんジュリアなのかもしれないし、魔法少女ユリコは七尾百合子かもしれないし、歌手のメグミは所恵美かもしれない。可能性はあるくらいの話だけど。他の日本のオタクネタも発掘したい。日本のオタクとして!本棚の本見分けたかったけどぼやけてて無理でした。

 あ、今皆さんの感想読み漁ってた。「マジカル関係ねーじゃん」っていうのがあったけどバルバラは最初にメモの切れ端を消しダミアンの心を奪う魔法使ってるし映画中でも2万7千ユーロをパッと出す魔法を使ってるし父は魔法少女の衣装をパッと出す魔法使ってるしダミアンは脅迫の元となった携帯を消す魔法使ってるし魔法使ってないのアリシアだけなんだよなたぶん。なお魔法は代償を伴う。
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