大枠だけを見ると「余命幾ばくも無い娘のために高額な魔法少女のコスチュームを入手すべく父親が奔走する」物語。
だが其の実描かれるのは、"手に入れたい" または "手放したくない" という純粋な願いから紡がれる生々しく邪悪な人間模様。
白血病の娘アリシア → 失業中の父ルイス → 孤独を抱えた既婚女性バルバラ → 元教師ダミアン → ...
と、関係性が円環に巡る造りが面白く、BGMがほぼ無い淡々としたアイロニカルな雰囲気も個人的にかなり好みな作風だった。
ラストシーンもそうだが、あえて見せない・語らない表現も良い塩梅で、現実的な想像が頭の中にぐっと広がる作品。
ポスタービジュアルはもうちょっと何とかして欲しかった。