オープニングからラストまで。
細かな伏線が回収されるんですけど、肝心なところは結構藪の中。
鑑賞する側に委ねられているところがまた、凄い。
そして。
映像は美しく、シンプルな演出。
それがまた、背中が寒くなるような感触をもたらすように思います。
白血病の少女。
失業中の父。
心を病んでいる女。
分析医の夫。
そして、刑務所にいた男。
それぞれ、関わるはずもなかった人々がある事をキッカケに人生が絡み合ってしまう。
なんていうか、こういう見えない部分というのが実は人生には大きな影響を与えるのかもしれない。
少女の気持ちを知る事がない父は無茶な願いをなんとか叶えようとする。それがこんなことになるなんてね…。
恐ろしいとしか言いようがありません。
一番、違和感を覚えたのは夫の靴紐を結ぶシーン。普通の関係ではないんだなって…。
もしかしたらあの屋敷と関係があるのかもしれない、なんてフッと思ったりして。
なにしろ、わかりやすいシーンとして描かれない部分が多いので。
想像する事が得意な人は色々と浮かんでしまうので、なんともあれこれ考えてしまいます。
魔法少女は大人になって魔女になるんだけど、それは身を削って行う魔法をしてきた結果かもしれない。魔女にならなくって、ただの女になる人が多数の中。
叶わないで良かった魔法もある。
オープニングのセリフ。とても意味深です。