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炎の街のotomisanのネタバレレビュー・内容・結末

炎の街(1945年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

 のっけからJ.ウェインが海(太平洋)に向かって石を投げてたりすると、ああフロンティアも今は昔と感じる。いきなり終わらせてあと何する?というと、ギャンブル。ここでおかしいと気づくべきだった。
 そんな海辺、JW.のモンタナ男が集金旅行中出会ったティト。行きずりの知り合い大金持ち → 実は当の集金相手でシスコのギャンブル王 → サイコロ賭博の敗け男(JW、F姫のイカサマ加担と素人の馬鹿ツキ?で大勝) → カードの勝ち男(イカサマ名人?JW丸裸) → JWのライバル → カードで今度は敗け男。シチュエーションをころころ変えながら、ティト、F姫を巡ってもJWと競り合う。
 さあ、役者がそろって時代遅れの西部劇らしくなるかと思えば、さにあらず。俄ギャンブラーのJWはF姫獲得に余念がなくて、ティトはカモる相手以上でないらしい。博奕のあがりでF姫用の劇場兼カジノまで建てて何様か?されど悪銭身に付かずカジノも開幕初日の大地震で丸焼け。すっからかんのJW、最後っ屁がわり、SF市長選では歓楽街を無くしたい反ティト派候補に肩入れして開票所で不正行為真っただ中のティト派と大乱闘。ついにティトと一騎撃ちかと思いきやまたも肩透かしの金持ち争わず。
 JW主演で奇跡の死者1名劇は、ティトの手から浮気性っぽい?F姫を取り戻してJW、モンタナに帰るんだそうな。争わない悪党ティトは"店のおごり"でいいんだそうな。二の句の継げない展開を余所に、草笛光子似のF姫がモンタナ行きを宣言するのを横目に、じきに飽きて戻って来るさと思っていそうなティトの諦め顔が、時代遅れのモンタナ男を何か懐かしがってもいるように見えたお終いだった。
 そういやこの年1945年はラスヴェガス第二の建都真っ盛り。立役者バグジーの足掛かりもハリウッド。対して1906年、未だマフィアもいない頃、焦土のSF市で焼け太る腹の大西部で叩き上げた博徒のティト(ここが働き処、JWとケンカしてる場合じゃない)と一脈通じる?通じてどうなんだ?な、舞台裏のほうが気になる案外なお気楽話だった。
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