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ヤクザと憲法のodyssのレビュー・感想・評価

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)
2.5
【ヤクザは憲法に守られる存在か、憲法を守る存在か】

東海テレビ制作によるドキュメンタリー・シリーズの一作。

大阪の某ヤクザ一家が取材対象。一家が根拠地とする建物や、組員の様子が映し出されている。

しかし肝心のシノギ、つまりどうやってカネを稼いでいるのかはよく分からない。組員も教えてはくれない。非合法のカネ稼ぎなのだろうから、教えて映されたら警察にパクられるからだろう。
その辺が物足りない。

ヤクザはクラウンとかBMVといった上等なクルマに乗っている。
羨ましいなと思った。私なんぞは前期高齢者となった今に至るまで国産5ナンバー車以外には乗ったことがないのだ。
外車や3ナンバーに乗るにはヤクザにならないとダメなのか(笑)?

ヤクザの顧問弁護士をしているとために警察からにらまれている山之内幸夫氏も登場する。この映画では器物破損使嗾か何かで有罪判決(10ヵ月)を受けている。これで氏は弁護士資格を失ったようである。別の弁護士の話では、ふつうなら罰金刑程度の犯罪だとのこと。警察ににらまれたがための判決だ、ということだろう。

ヤクザの子供だと、幼稚園にも通えないのだそうだ。日本国憲法の法の下の平等に反する、と本作品では訴えている。そうかも知れない。また、永住権はあっても日本国籍がないので選挙に行けないという組員も登場。在日にヤクザが多い、というのは本当かも知れない。

でも、反社会勢力であることは、日本国憲法の精神に合っているのだろうか? その辺を追及しない監督は、かなり甘ちゃんじゃないかな。

上映時間のわりには教えられたことは少ない映画、というのが率直な感想。よってこの点数。
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