Gam

100万年地球の旅 バンダーブックのGamのレビュー・感想・評価

3.0
アニメに燃えた手塚治虫。
彼は"マンガの神様"なのだと思った。

淡白なテイストながら、壮大な背景にストーリーが躍進していく。手塚作品らしい。シーンよりもテンポで動かす。これも手塚作品らしい。しつこいくらいメタボケに走る。すごく手塚作品だった…

漫画での手塚治虫の哲学も、またアニメ表現だと功罪が変わってくる。手法によって表現の心地よさが変わるのはおもしろい。

スターシステムも健在で、ブラックジャックからアトムまで、人気キャラクターを意外な役でかなり登場させていた。このまま手塚アニメが台頭していたら、今のアニメ界にシステム的な影響があったかもなあと妄想した。

今作は『ブラック・ジャック』『火の鳥』などの漫画連載と同時並行で制作されたとのこと。そういうことなのか、はたまた時代なのか。どこかダイナミックな勢いに隠れた、粗雑さも感じられる。質ではなく量のクリエイティブから生まれる独特な匂いがあった。
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