このレビューはネタバレを含みます
【ボクシングに命を「賭けた」男】
交通事故に遭い頚椎骨折を負ったボクサー。
逆に言えば、あれだけの大惨事を無事に生き抜いたのは、日頃から鍛えていたからこそなのかも知れません…。
あと一捻りで死ぬかも知れないという状態で、首周りの筋肉を鍛え、再びリングに立つという偉業を成し遂げます。それでもって最終ラウンドまで戦い判定に持っていくという奇跡です。(実際は別のボクサーとの対戦が復帰戦だったようです。)
先日Roberto Duranの伝記映画を観たばかり。彼はアメリカや父親への反発を、燃える闘志に転換していた印象でした。Vinnyの場合は、周りからすると諦めの悪い人?に見えなくもないですが、自分をとことん追い込むのが大好きなドMで、過酷なトレーニングすら楽しんでいるようでした。ボクシングそのものへの愛を感じました。
"Whiplash"でも鬼教官に追い込まれる主人公を演じたMiles Teller。等身大な人間に潜む狂気の執念が似合います。ただし変身ぶりは、前頭部を剃りお腹でっぷりのAaron Eckhartのほうが上でした。