Fsuke

トマホーク ガンマンvs食人族のFsukeのレビュー・感想・評価

3.5
“4人の不運な男たち
境界を越えていく”

善悪の話ではない。
同族が他文化に何も知らず踏み入ってしまった所為で、そのツケを払うハメになった男たちの話。

ザラー監督の映画ってどれも諦念が漂ってる。
逆らえない大きな流れに覆われてる。
アメリカンニューシネマとかだったらそれに立ち向かって破滅していくんだろうけど、ザラー監督の映画はあくまでその中で登場人物達が個人的な動機や情で戦ってる。
流れには逆らわない。
人物描写に長々と尺を割くのも登場人物の身の回りの世界で物語が終わって、それ以上大きくならないから、そもそもその視点しかないんだと思った。

例えばこの映画では先住民の虐殺に触れるシーンがあるけど、結局のところだからなんだという話しで終わってる。
自分の妻や部下が拐われたから助けにいく。
そのために戦う。
それだけ。
何かを正そうとか、正義を説くわけではない。
あくまで小さな集団同士の戦いで終わる。

この諦念はなんだか現代的だなと思う。
Fsuke

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