佐藤克巳

雪崩の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

雪崩(1937年製作の映画)
4.5
後年の「驟雨」に似た題材が既にここに。そしてヒッチコック「断崖」の様なスリリングな夫婦サスペンス。成瀬巳喜男監督は、新生東宝の看板女優千葉早智子と結婚した同年に心情を吐露したのか?許婚江戸川蘭子がありながら後の妻霧立のぼると名古屋に駈落ちする資産家汐見洋の息子佐伯秀男は、従順で良妻で忍耐強い霧立の生活に不満足で離婚を明言する。父汐見は、佐伯の頭の良さ時代の流行りを認めても、息子の我儘は資産あっての私の力だと、離婚をするなら縁を切ると迄頑なに拒否。佐伯は、霧立を連れて再び名古屋の思い出のホテルに宿泊し、毒薬を購入すると心中を強要する。内心では自分は生き残り妻殺害を策謀していた。霧立は従うとしたものの涙が溢れ出た様子に、佐伯は雪崩を打った様に豹変し、嘘だよと霧立に謝罪する。
佐藤克巳

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