CineMaruko

雪崩のCineMarukoのレビュー・感想・評価

雪崩(1937年製作の映画)
-
ゴタゴタ理屈をこねて自らの不倫を正当化しようとする男は、数ある成瀬映画のクズ男の中でもベスト3には入るクソっぷり。その反面で、夫の不倫に感づいていながらも、なお夫を信じようとする妻は、一見意思薄弱で、妻は夫に従属すべしという古い因習に囚われているように見えるが、むしろかなりの強情っぱりな自らの意志を貫き通す強い女なのではないか。一緒に心中してくれと頼まれて、「あなたの為なら死にます」と答えるクロース・アップが、なぜかかなりかっこいい。『浮雲』然り、成瀬映画では、男がクズであればあるほど、ヒロインが輝く法則があるのでは。
CineMaruko

CineMaruko