KnightsofOdessa

ウイスキー・ガロア(原題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

2.0
No.229[ウィスキーのために一致団結するスコットランド人] 40点

原題は"ウィスキーがいっぱい!"。マルセル・パニョルの「パン屋の女房」がフランス人のパンへの偏愛がよく分かる映画だったのに対して、本作品はスコットランド人のウィスキーへの偏愛を爆発させた映画である。また、本作品は英国イーリング・スタジオで製作された一連のコメディ作品の一本でもある。脚本のコンプトン・マッケンジーの同名小説を映画化した作品であるが、ロケ地であるバッラ島の天候不順によって撮影期間は倍に延び、予算も2万ポンドほどオーバーしたらしい。加えて、スタジオのお偉いさんであるマイケル・バルコンからケチをつけられ、チャールズ・クライトンによって再編集されたらしいが、興行は成功したようで、1949年は「Passport to Pimlico」「カインド・ハート」と本作品によってイーリング・コメディの最初の豊作年とされている。

1943年、スコットランドのトディ島。"命の水"ウィスキーが配給制となり、文字通り意気消沈する島の人々。なんとも呑気な話である。大西洋に面したここらへんの人々は実際に戦争を実感することもなかったようだ。そんな中、オッド軍曹が雑貨屋ジョセフの娘ペギーに会うため本土から帰ってきた。もうひとりの娘カトリオナは学校教師ジージと婚約していたが、彼の母親はその婚約に反対していた。

もう分かるだろう。既にこの時点で退屈だ。

沖を通っていた島の沖で船が座礁したとの報を受けた島民たち。実は船には5000本ものウィスキーケースが積まれていたのだ!ホームガードのワゲット大尉だけが反対する中、住民たちは沈みゆく船から大量のウィスキーケースを回収する。この時参加したジョージは母親と対決する力を身に着け、彼はカトリオナと結婚する。また、ワゲットは回収されたウィスキーケースを本土に通報するが、先手を取られてウィスキーをカバンに入れられており、事情聴取のため本土送りとなる。ここで島民が必死にウィスキーを隠すシーンがほぼ見所のない映画の唯一の見所である。

ここまで来て読者の皆さんはわかったことだろう。あらすじ以外書くことがないのだ。そして、あらすじで十分である。ホントに、基本設定確認→座礁→回収→隠す→終わり、だからね。
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