原題は"ウィスキーがいっぱい!"。マルセル・パニョルの「パン屋の女房」がフランス人のパンへの偏愛がよく分かる映画だったのに対して、本作品はスコットランド人のウィスキーへの偏愛を爆発させた映画である。また、本作品は英国イーリング・スタジオで製作された一連のコメディ作品の一本でもある。脚本のコンプトン・マッケンジーの同名小説を映画化した作品であるが、ロケ地であるバッラ島の天候不順によって撮影期間は倍に延び、予算も2万ポンドほどオーバーしたらしい。加えて、スタジオのお偉いさんであるマイケル・バルコンからケチをつけられ、チャールズ・クライトンによって再編集されたらしいが、興行は成功したようで、1949年は「Passport to Pimlico」「カインド・ハート」と本作品によってイーリング・コメディの最初の豊作年とされている。