イライライジャ

カイロ中央駅のイライライジャのレビュー・感想・評価

カイロ中央駅(1958年製作の映画)
3.7
ユーセフ・シャヒーン監督作を初鑑賞。
代表作ということもあり初鑑賞に相応しい秀作だった。
駅での一日。足が不自由な新聞売りの男が、飲み物売りの女性に執着する。
低賃金の貧しい労働者で、困難な生活を余儀なくされた者が狂気に陥る。緊張感高まる終盤、何故だかこの貧しい男に同情してしまう。
ただでさえ性的に抑圧されたイスラム教徒で社会的地位の低い身体障害持ちの貧困者。これだけ人生詰みモードだったらおかしくなるわな。
本作は当時さぞ衝撃的だったろうと思う。
50年代のエジプト映画ですでに『タクシードライバー』の原型ともいえるノワールが完成されていることに驚き。