kazu1961

死の嵐のkazu1961のレビュー・感想・評価

死の嵐(1940年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary————————————————-
🖋本年鑑賞数 :2021-450 再鑑賞
🖋#死ぬまでに観たい映画1001本 446/1001

🖋 『チャップリンの独裁者』に先がけて製作されたハリウッドの反ナチス映画です。ヒトラーの首相就任でドイツ民衆の心情、感じ方がどう変化してきたか。。。煽動される熱狂的な若者たちは狂気そのものです。その内的な変化を描いた映画は本作以外にあまり印象にありません。そういう意味ではとても興味深い作品です。ドイツでは本作の公開は当然のことながらされませんでした。それどころか本作以降のMGMの作品もドイツからは追放されたそうです。

🖋ボーゼージ監督はひとつの狂気としてナチスを描きました。そのナチスに屈服する人の中にもナチスの狂気によって自らの中に残っていた人間性に目覚め、葛藤に苦しむ人たちも多く存在しました。特にフレイヤの兄たちと元恋人、そしてフレイヤとマーティン、狂気と友情の間での葛藤を見事に描いています。素晴らしいラストシーンでは、ロバート・スタック演じる兄の葛藤が見事に描き出されています。

🖋またその一方で、本作はアメリカ映画史上に残るラブストーリーの傑作とも言われています。フレイヤとマーティン(ジェームズ・スチュアート)の恋は繊細かつ感動的で、“理想の愛”を素晴らしい演技で表現しました。マーティンの母親が儀式用のワインカップで恋の成就を祝うシーンは特に素晴らしいシーンです。

🖋本作、サイレント時代からメロドラマを手掛けてきたボーゼイギ監督による哀切とリリシズムあふれる傑作だと思います。

😢物語は。。。
ドイツの大学都市に暮らす大学教授ロート。その娘フレイヤは、二人の青年マルティンとフリッツに愛されています。だが、ナチスの台頭によってユダヤ人のロート教授一家に暗雲がたちこめます。独裁を恐れるマルティンとナチス支持派のフリッツ。二人のあいだで揺れ動くフレイヤ。やがて教授は強制収容所に送られてしまいます。。。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『死の嵐』
原題(英題):『The Mortal Storm』
🎥製作国 :アメリカ
🎥初公開 :1940
日本公開 :劇場未公開
🎥上映時間 :100分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):フランク・ボーゼージ
脚本 :クローディン・ウェスト、ハンス・ラモウ、ジョージ・フローシェル
原作 :フィリス・ボトム
音楽 :エドワード・ケイン
出演(声優): ジェームズ・スチュワート、マーガレット・サラヴァン、ロバート・ヤング、フランク・モーガン、ロバート・スタック
kazu1961

kazu1961