CANACO

シティ・オブ・ゴッドのCANACOのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
3.9
パウロ・リンスの同名小説を基にした作品。ブラジオ・サンパウロ出身のフェルナンド・メイレレス氏(ご両親の国籍がわからないが白人のかた)が監督を務める。

『スラムドッグ$ミリオネア』やタランティーノ作品が好きな人にはおすすめ。実話を基にしているので、ドキュメンタリーのようでもある。

時代は1960年代から70年代、ブラジル、の“ファヴェーラ(=貧民街、スラム)”で起こった子どもたちによる抗争の物語。
語り手はカメラマン志望の少年・ブスカ・ペ。ほとんどのキャストは実際にスラムで募った素人らしい。

貧困の国・地域の子どもたちを見た時に誰もが感じる、あの目力の強さに引き込まれる。当たり前に銃(ガン)がある日常、這い上がるには麻薬や悪事で稼ぐしかない日常をサバイブする少年たちは、自分たちのことを可哀想だなんて思っていない。“神の街”を出ようと考える子もほとんどいない。生きることに純粋な、強い子どもたち。

己の欲求に正直に生きる子どもたちを見つめる一方で、こう感じる。この世界から既得権益で儲ける人はいなくならないし、戦争もなくならないし、貧富の差も縮まらないんだろうなと。
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