ダイナ

シティ・オブ・ゴッドのダイナのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.5
60〜80年代のリオデジャネイロのスラム街を舞台としたストリートチルドレンの抗争を描いた作品。本作の最大の魅力は構成、そして編集の上手さにあります。主人公ブスカペの語りによる年代を跨いだ抗争の流れを説明する作り。少年達が屈託のない笑顔で拳銃をぶっ放す信じ難い抗争を下敷きにしたストーリー。非道かつ残酷な世界、登場人物も多く暗いシナリオにも関わらず面白く感じてしまうのは丁寧な語りによるテンポの良さの功績。また重要人物が出てきた時は「後に説明するよ」と念押ししてくれるため頭の中の整理にとても優しく、分割同時進行映像手法も面白い。進行が早いのに見やすい、丁寧な構成が本作最大の強みでしょう。音楽のファンキーさ、リズムの気持ち良さもテンポの良さに拍車をかけていますがやっぱり描かれる出来事は残酷ですし、「面白い」けど「滅入る」、絶妙なバランスとってます。また走り回る子供達を追うに辺りブレブレになりそうにも関わらずストレスを感じないカメラワークに感謝、Good Job!

とある場面で子供が号泣する場面があるんですが、ここの迫真さがリアリティあって良かったと同時にキツかったです。「終わりの始まり」という文字がある場面で出てきますが、全体的な構成を見返すと「なるほど!」と気持ちいい感覚が味わえました。
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