mimitakoyaki

シティ・オブ・ゴッドのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.2
子ども達が、いとも簡単に暴力によって命を失ってしまう。
貧しさや憎しみの連鎖が次の暴力を生みだし、また銃やドラッグも出回り、警察もギャングに金で買収されていて腐敗していて、ほんとに観ているだけでやり場のない感覚に襲われます。

スラムで一緒に幼い時期を過ごした友達がギャングのボスになってたり、仲の良い友達もギャングと繋がってる…。
そんな環境なので、学校に行って自分の夢を持つ事は、決して簡単ではないけど、みんながみんなギャングに憧れてるわけでもないし、銃を持つわけでもなく、主人公はカメラに興味があったためにカメラマンやジャーナリストを目指しているのです。

ギャングのボスに成り上がり、暴力で覆われた街を力で支配することでしか未来を見据えられない子どもたちがたくさんいる一方で、本当にやりたい夢を持てる子どもの存在は、一筋の希望や救いのように思えました。

子ども達が銃を持ち、バタバタとたくさんの人が死んでいく、血と暴力にまみれた映画だけど、音楽や映像、テンポや構成の仕方がとても良くて、最後まで一気に見せてくれました。

今のブラジルはどうなんだろう…。
ちょっとは良くはなってたらいいけど、こういう世界があるという現実を知っておくべきだと思いました。
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