いとっ亭

シティ・オブ・ゴッドのいとっ亭のレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
5.0
もの凄い映画だった。
最初は登場人物多くて脳みそがついていくか心配だったけど、一人一人を掘り下げられる様な構成で、むしろ感情移入できてしまうレベルだった。
最初の鶏を捌くシーンで、食事となる鶏と逃げる鶏が出てくる。これで生きるか死ぬかの物語であると説明すると同時に、ラストにはそのシーンに帰結する。
鳥肌が立った。鶏だけに。

子供が銃を取り自分より幼い子供を殺す。そんな世界で生き残るのは悪事の働けない文化系男子だった。
あー、まー考えさせられなーと思ったけど、これは実話で原作の小説家が実際に経験したことだ。
日本の裏側ブラジルで起こっていたことなのだ。
当然、ウェットに感情移入しようが、その気持ちは硝煙と共に葬り去られる。
同情する登場人物なんて皆死ぬ。
生温い日本人としては、感情移入だなんて外野目線で言ってていいのかとエンドロール中に反省。
ブラジルのみなさーんなんて地面に叫んでる自分が恥ずかしくなる体験をさせてもらった。