このレビューはネタバレを含みます
王道の恋愛モノ。相手への敬意と思いやりに満ちたものがたり。そしてラストはけしてハッピーエンドではない。
完全にツボ。健気であることはもっとも好きな心情なのは小学生低学年からずっといい歳しても変わらない。ひとは感覚的な部分はほんとうに変われないし、変わらないものだ。子どもの頃、読み漁っていたマンガの影響なのかw
俗世間のありようと映画作品を比較して、現実味がないという批判がこの手の作品にはありがちだが、そういう方々はフィクションとノンフィクションが完全には厳密なる境界があると信じてるのだろう。
対象を脳で解釈する時点で現実にはバイアスがかかるし、認知する上でバイアスがかかっていないことなどあり得ないのはいうまでもない。
その意味でフィクションとして描くことで浮き上がる感情のリアルもあるのだ。
現し世は夢、世の夢こそまこと。情報過多の時代にあって乱歩の箴言はますますこころに響く。