りょうすけ

Red Psalm(英題)のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

Red Psalm(英題)(1972年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「Red Psalm」

日本ではおそらく上映されていないハンガリー映画。タル・ベーラ作品と同様にカット数が非常に少ないことが特徴の作品。英語字幕で鑑賞したので詳しいところまではわかっていないが、支配階級に抑圧された農民たちが立ち上がる物語だと思えば分かりやすい。

しかもこの映画、歌と踊りがあり、ジャンルとしてはミュージカル映画なのである。時代設定はおそらく19世紀末、農民たちが現状に対して歌や踊りで対抗するという点においてはハンガリー版の「ヘアー」とも捉えられるかもしれない。実際、少しロックっぽい曲調のものもあった。

結構真面目な映画なんだろうけど、ミュージカル要素とヒッピーのように自由に行動しているように見える農民たちのせいで、より「ヘアー」味を増してるし、ちょっと「ミッドサマー」のような雰囲気もある。

輪になった兵隊に囲まれて農民たちが銃殺されるシーンとかそのあとの川が血で真っ赤に染まるシーンはあまりにも印象的。ラスト、こちらに語りかけてくるように歌う女性のシーンもまたかっこよかった。

ミクロシュ・ヤンチョー(「サタンタンゴ」の記事で読んだが、ハンガリーは日本と同じで名字→名前の順らしい。だからどの表記が正しいのかわからない)の作品は本作以外にも「The Red and the White」という作品が死ぬまでに観たい映画1001本に掲載されているので、いつか特集上映が組まれるといいなと思っている。
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