真っ黒こげ太郎

人質奪還 アラブテロVSアメリカ特殊部隊の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.8
彼らはアメリカの威信を賭けてアラブテロに挑んだ!
(開始10分で終わります。w)



軍人による暴虐が巻き起こっていたムルドニア共和国で、アメリカ人の女性ジャーナリストが拘束された。
悪の司令官レフェンデックは彼女と引き換えにアメリカに拘束されてる同士の釈放を要求してきたのだ。
アメリカ軍は人質奪還の為にドン・ハーディング少佐の率いる特殊部隊「スペシャル・フォース」を送り込む。
ハーディングはレフェンデックに過去に部下を殺され、自身も酷い目に遭わされた過去があるのだ。

ムルドニアに潜入し行動開始したスペシャル・フォース達の前に、レフェンデックへ復讐を目論む男が現れる。
その男、タルボットはイギリスの特殊部隊SAS出身で相棒をレフェンデック達に殺され、復讐の為に単身で行動していた。

タルボットと協力し、人質奪還を成功させる一行。
だが、帰還の為の輸送機が撃ち落とされ、敵の大群に囲まれてしまった!!!
果たして、彼らの運命や如何に!?




アメリカ特殊部隊(+α)が人質奪還の為に、凶悪軍事国家に戦いを挑む、コマンド・アクション映画。
監督は空手家やスタントマンとしての経歴を持ち、格闘アクション映画に定評のある、アイザック・フロレンティーン氏。
フィルマークスを始める前に見ていた作品だが、この度再鑑賞。


近所のゲオでは何故か戦争映画のコーナーに置いてありますが、実際は超強い特殊部隊の人達が敵をなぎ倒すB級ドンパチアクションである。
まぁ、開始早々ぬいまげことヌー・イメージ(Nu Image)のロゴが出るし、ジャケ裏の写真で半裸のマッチョメンがポーズを決め、宙を舞っている写真があるから間違えることは無いと思うけどね。w


本作の内容は「人質を救う為に悪の軍人に戦いを挑む」という、まぁぶっちゃけコマンド・アクション映画としては今から昔までずっと作られている手垢まみれな内容ではあります。
とはいえ監督がスタント畑の人なので、アクションのクオリティは高く、ひたすらに激しい戦闘アクションの連続でガンガン押していく内容なのが嬉しい。


冒頭から主人公チームの活躍がガンガン描かれており、銃を撃てば百発百中だし、マーシャルアーツを駆使して敵をバシバシ殴り蹴り倒すわで大暴れ!!!
余りに強い連中揃いすぎる故に、タイトルにもなっている「アラブテロVSアメリカ特殊部隊」を開始10分で終わらせてしまうレベル。
(タイトル変えなさいよ。w)
まぁそれだと映画が終わっちゃうので、その後は別の地域での救出作戦が描かれる、が百発百中で撃ちまくり&素手格闘でシバキまくりである。

襲撃戦では激しく火花や硝煙や薬莢が舞い、火柱が立ちまくる火薬の爆破シーンも盛り沢山でドンパチ指数も高め。
ビデオ用のVシネマだが、スケールは大きくロケーションもしっかりしていてショボさを感じさせず、B級アクション映画にしては作りがゴージャスなのも地味にポイント。
(強いて言うならヘリがぺっちいCGなのが気になる所か。
後人々が脅かされる場面で何故か背負い投げをされていたり、さっき別れた割にバイクで駆け付けるのが遅すぎるというツッコミ所もあるな。w)


そして何といっても今作で欠かせないのが、イギリスの特殊部隊役の人。
主人公チームどころかそこいらの香港功夫アクションも真っ青なレベルのスピードのキレッキレなマーシャルアーツを繰り出し、凄まじい回転率の回し蹴りを繰り出す!!!
始めて見た時はそのキレの凄まじさと動きの美しさに驚いたものです。


そう、彼こそ次世代アクションスターとして現在大人気のスコット・アドキンスさん!!!!
元々は香港映画畑のスタントマン&スタントダブル俳優でしたが、今作でアイザック・フロレンティーンさんと出会い、長きにわたる黄金タッグが始まった訳です。

そんなアドキンスさんの初の晴れ舞台だけあって、その凄まじい格闘アクションは水を得た魚の如くキレまくり。
特にクライマックスでは散った(!)主役チーム達に変わって、八面六臂の大活躍!!!
特にクライマックスでは敵幹部とアドキンスさんが香港映画そのまんまな倉庫(爆)で死闘を繰り広げるが、敵幹部も負けずと凄まじい動きを繰り出しまくり、アドキンスさんと激しい技の応酬を繰り広げる!!!
そのファイトシーンの素晴らしさはもはや芸術の域に達していると言っても過言ではない。
格闘アクション映画や功夫アクション映画好きなら絶対に見ておくべき名シーンです。


まぁ、そのシーンが激しすぎてぶっちゃけ浮きまくってるし、その所為で主人公側の印象が薄くなってしまってるんですけどね。w
一応ハーディング役の人も回し蹴りを繰り出したりと動けてはいるが、流石にスコアドさんに比べると年相応の動きに思えてしまいますね。
これに関しては相手が悪かったと言わざるを得ない。


ぶっちゃけ脇役が目立ちすぎて主役が目立ってないし、話はベタすぎて無きに等しいが、激しいアクションの連続で引っ張る内容は楽しいし、スコット・アドキンスさんがアクションスターとして大きく飛躍した瞬間を拝めただけでも大きな価値があるってもんです。


過度な期待は禁物ですし、B級映画ド直球ですが、激しいドンパチや見ごたえ&切れ味抜群の格闘アクションが腹いっぱい味わえる、コマンド・アクション映画の掘り出し物です!!!
ドンパチアクションや格闘アクション好きなら是非どうぞ!!!