私は前作よりこっちの方が好きです!
前作から13年も経っているのに全く変わってないウィリー。唯一の違いはサンタでないことだけで、ホテルの駐車係とか、小さなスーパーの清掃員とか、しょーもない仕事しかできないのに、それさえ酒のせいでクビになる。またもやバーの裏の路地でゲロを吐いている(笑)。
サンタの格好してくれよ〜!と思っていたら、前作でウィリーにまとわりついていた「デブでのろまな」ガキ、サーマン・マーマンが、ウィリーにお金の入った封筒を持ってくる。
封筒は、出所してきた小人のマーカスからのもので、シカゴでデカイ仕事があるから一緒にやろうという誘いなのだが、雇い主の名は明かされない上、前回ウィリーを殺して儲けを独り占めしようとしたマーカスが許せないウィリー。
やっぱこの映画は、ビリー・ボブ・ソーントンのやさぐれぶりが面白いんですが、前回より今回の方が面白かった!特にビリー・ボブ・ソーントンの話し方が面白くて、単にshit とか fuck とか言っているから面白いわけではなくて、あの言い方が、普段からこういう風に喋っているんだろうなあって感じで、笑わそうとしていないところが面白い。
そう言えば今回、ウィリーの母親役でキャシー・ベイツが出ているって知らなかったんですけど、ビリー・ボブ以上のヤサグレぶりで笑える!キャシー・ベイツも普段から口が悪いんだろうなって思わせるくらいハマっている。この役は、普段は心優しいおばさんなのに、裏ではバイカー・チックみたいな格好してタトゥーバリバリ!みたいな。
サーマン・マーマンは、前回と同じ役者さんが演ってました。この人大きくなるに従って痩せてきたんだけど、今回はわざわざ体重を増やして、子供の頃と同じ肥満体型にしたんだって。前作で「サンドイッチ食べる?」ってしょっちゅう言っている子供だったから、いまではサンドイッチ屋さんでバイトしているという役。
サーマンは今年21歳になるので、「約束通り筆おろしをしてくれ」とウィリーに頼む。ウィリーは「俺がやるって言ったわけじゃないよ!」と、顔見知りの娼婦を雇ってくるんですが、これがオクタビア・スペンサーなんですよね。前回も出てたんだけど、言及するの忘れてた。
小人役のマーカスは、全く変わってない。13年も経っているのに。ビリー・ボブも、白髪が増えただけであまり見た目は変わってない。
前回のが好きだった人には2作目は評判悪いんですけど、なんでか分かる。だってさらにブラックだから〜!ウィリーとお母さんはお互い憎み合っていて、最後和解するのかと思ったら憎み合ったままだし、ウィリー、マーカス、お母さん3人共、最後にはお互いを殺してお金を独り占めしようとする。盗むのはチャリティーのお金だし(ただし、チャリティー主催者が遣い込みをしているのですが)、とにかくガチで悪い!なので全く共感できなかった人も多いみたい。
でも私はここまでやる!?って結構笑った。寒いからコートをかけて上げるけど、ポケットのお金は盗る、みたいな「それとこれとは話が別」的なドライさが可笑しい。
あと前回で「デブはファックしても大丈夫」みたいな話があったけど、どうも今回観ていると、ウィリーは「恰幅のいい女の人とアナルセックスをするのが好き」って設定らしい(爆)。個人的には面白いとも悪趣味とも思わないんだけど、「あくまでポリティカリー・コレクトに逆らう」っていう姿勢が可笑しい。
「おだまり、小人のくせに!アタシはポリティカリー・コレクトなんて信じないから、小人って呼ぶわよ!」ってオスカー女優のキャシー・ベイツに言わせるあたり(笑)。しかもキャシー・ベイツもそれがナチュラルと言わんばかりに演ってて可笑しい。
ラストは、オープニングとなにも変わっていないウィリーが、またちょっとだけサーマンと友情を深め、またもやウィリーを裏切ったマーカスに「ティーバッグ」をし、その写真をSNSに上げる(笑)。
ブルーレイに付いていたもう一つのエンディングでは、雪の降る日、清掃員の仕事を終えたウィリーは、ぽっちゃりのフッカーに「アナルセックスはするの?」と訊くと「・・・クリスマスだもんね!」と言われて「カモン・イン!」って明るく誘うところで終わっていて、これもなかなか良かった。
メモ:この映画が666本目だった(笑)