糸くず

ジョン・ウィック:チャプター2の糸くずのレビュー・感想・評価

3.7
「修羅は続くよどこまでも」というか、むしろ修羅の道だけがジョン・ウィックの居場所であって、恋人との日々や愛犬、住み馴れた家のような凡人の幸せは、殺しの天才である彼には不自然なものなのだ。凡人であるわたしには、ルールや礼儀を重んじるジョン・ウィックが、あえて掟やぶりを犯してまでサンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)みたいな小者を殺すのは理解できないが、凡人の論理を持ち込むこと自体が、この一流の殺し屋で埋め尽くされた世界では間違いなのであれば致し方ない。

永遠のような光速の銃撃と殺人のパーティとしては文句なしで、特にコモン先生との2回目の対戦は素晴らしく、噴水での撃ち合いの美しさ、駅構内でのギャグすれすれな撃ち合い、電車内での格闘、どれもため息が出るほど見事だった。鋼の意志と高潔さが結び付いた決着も好きである。

あっ、ルビー・ローズももちろんよかった。クリステン・スチュアートと並ぶ、中指を立てるのが似合う女性であると思う。
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