アズマロルヴァケル

ゲヘナのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

ゲヘナ(2016年製作の映画)
3.5
良くも悪くもゾッとさせられる映画

・感想

トラウマ級の怖さではないんだけど、脚本は丁寧に作られていて、ホラー演出はベタでありきたりな感じではあったんだけど、オチが個人的に好きだったので良かったです。少なくとも同じく日本人キャスト出演の『ホーンテッドテンプル』よりも分かりやすくて楽しめる映画です。

怖い映画ではあるんだけど、ちゃんと和むようなシーンもありました。例えばカメラマンのデイブが最初のシーンで日本語Tシャツを着用しているのですが、そのTシャツの字が『私はアメリカ一番の変態です。』と綴られていたのが非常に面白いです。他にもどうでもいいシーンなのですが、現地のガイドマンであるペペが前半でハンドミストをかけている様子はクスクス笑えました。

ラストは生きのこったとしてもバッドエンドのような恐ろしい結末。ネタバレなしで言うとすればあのダグ・ジョーンズの役柄がなんなのか、そして死よりも恐ろしいのがなんなのかを提示させているトラウマ級の結末ということなのではないかと思いました。例えると世にも奇妙な物語の『懲役30日』と『迷路』を合わせたような嫌な感じを彷彿とさせるオチかな。

ちなみにエンドロール後はランス・ヘンクリセン演じるトーマスがポリーナを助けようと決心するシーンが挿入されるんだけど、良い意味では和んだし、悪い意味では蛇足のような感じがしました。

それでも他人によっては恐怖を植え付けられそうな映画ではありますし、何度も本編を見返したくなる隠れた良作だと思いました。