カマリス

ハドソン川の奇跡のカマリスのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
4.2
 実際にあった出来事。2009年1月15日、鳥の衝突により両エンジンが停止した航空機がハドソン川に着水させた。機長は死者を出さず英雄視されたが、調査委員会はシミュレーションの結果ハドソン川に着水したことは正しい判断ではなかったとする。そして機長の「英断」の是非が次第に明かされていくことになる。

 英雄視され人々やマスコミに追いかけられ、称賛される。善意でしているから「やめてくれ」とも言いにくく、「英雄」(この表現は本人も否定していた為正しくないのかもしれない)の苦悩が現れていた。それでも、当時の不況の中でこの出来事がどれだけ人々に希望を与えたかが伝わってくる。

 そして、実話をこれだけ心揺さぶられる映画にするクリントイーストウッド監督も素晴らしい。決して大衆受けしそうなあざとさを出さず、淡々としている所が個人的に好みである。
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