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ハドソン川の奇跡のcruela53のレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
4.2
イーストウッドらしい「なんでもなさ」と「余韻」であふれた映画。
飛行機が落ちるところがメインかなと思いきや、それはイントロでそれ以降の機長のサリーの心情に寄せた人間ドラマだった(原題はSullyだから当たり前か)。
サリーという人物の細かい描写がとにかくうまかった。
「155人…!」と安堵するところと、副操縦士のジェフを「誇りに思う」と讃えるところ。
正直、これらはストーリー上なくても全く困らない場面だけど、これがあるからこそサリーという人間の仕事観や人間性が明確になり、この人だからあのアクシデントを乗り越えられたんだと鑑賞者は理解できる。
そして最後の、あの場面のあのコメント。
イーストウッドが追いかけ続けてきたアメリカの良心を表した、素晴らしいシーンだった。
イーストウッド作品が好きな人はたぶん楽しめると思いますが、飛行機アクションを期待している人はやめといた方がいいと思います。
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