このレビューはネタバレを含みます
事実は小説よりも奇跡なり
飛び立って事故が起きて助かるまでを描く話だと勝手に思っていたが、それよりはるかに充実したストーリーだった。
ただ素直に英雄視し感動する民衆。
しかし、その裏で起きていた事故の検証。やるせない。誰も死ななかったのだから万々歳じゃないかと、私含め一市民は思う。
命はお金には代えられない。とはいっても、無事なら無事でその次は現実的な問題に移るのは仕方ないことだ。
嫌な展開になるのかと観てて不安にもなった。
しかし、キャプテンは実際に直面した状況と検証結果の違いに困惑するも、自分の正しさを証明しきった。そこが素晴らしい。
こういった部分がノンフィクションならではの良さ。現実的な問題を含めてのグッドエンド。
フィクションだったら、私が想像してたような、事故が起きて助かって家族と再会して抱き合ってめでたしめでたしfinだったろう。
たしかに
時間をかけて最も効率化されたシミュレーションと、リアルタイムでの判断ではわけが違うよね。
普段の生活でも、決断しなければいけない場面はいくらでもある。あの時ああしていればよかった…と思うことも多々。結末を知ってから判断できるなら苦労はしない。
ただでさえ難しいベストな判断を、機長は極限の状況ですることができた。そして奇跡と呼ぶに相応しい結果を得ることができた。彼は謙遜していたし、事実 救助隊やクルーが居なければ全員の生還はできなかっただろう。
それでもやっぱり彼は英雄だ。
…機長の陰に隠れがちだが副パイロットも良い人物だった。愉快な彼が居なければ機長の心労は更にひどかっただろう。
事故が起きる前のシーンと比べると、二人の絆がかなり深まってるのを見て取れたのがよかった。
最後に粋な終わり方ができたのもユーモア溢れる彼のおかげだ。
トム・ハンクス主演の映画はやはり良いな。
キャプテン・フィリップスをもう一度観たくなった。